コーギーカーディガンがいく

我が輩は犬である。名前はｑｏｏｑｏｏである。

　｢なんで、こんなところに井伊大老が？｣



横浜、桜木町駅をみなとみらいの反対側に出て
紅葉坂をのぼると､掃部山公園がある。

正四位上左近衛権中将の正装に身を包んだ井伊直弼公は
ここから横浜港の方角をみつめている。

かつてはここから、横浜港が一望できたという。

　「井伊直弼公は開国の父だ！」

この銅像は、旧・彦根藩士族によって、
横浜開港50周年の1909年（明治42年）を期し
井伊直弼公の事跡を健勝するために建立された。

　「井伊は、あまたの有為の志士を殺した逆賊だ！」

しかし、旧・攘夷派の井伊直弼に対する怨恨はすさまじく
除幕式当日、銅像は一夜のうちに首を切り落とされてしまう。

さらに、太平洋戦争中は、政府の金属回収指示によって
この銅像はあっさり撤去されてしまうのだ。

　なんだか、受難というか
　かわいそうというか｡｡｡｡｡｡

　まあ、井伊直弼公の評価は
　人によってさまざま。

　しかし、歴史は
　確かにこの人物を必要とし
　彼を埋木から引き上げた。

　そして、ひとつの役割をはたしおえると
　歴史は彼を容赦なく葬り去った。

　　「ただ、それだけのことさ･･････」

　丘のうえの大老が
　心なしか笑っているようにみえた。