コーギーカーディガンがいく

我輩は犬である。名前はQOOQOOである。

かつての北条執権邸跡である宝戒寺の南東、
葛西ヶ谷にある東勝寺跡。

東勝寺は３代執権・北条泰時が創建した北条氏の菩提寺だ。

元弘3年5月22日、新田義貞の鎌倉攻めにより
北条一族は、炎の中で、ここで壮絶な最期を遂げる。



石碑にはこうある。

　元弘三年五月　新田義貞　鎌倉に乱入するや
　高時　小町の邸を後に　父祖累世の墓所東勝寺に篭り
　百五十年来殷賑を極めし府下邸第肆廛の
　今や一面に焔煙の漲る所となるを望見しつつ　
　一族門葉八百七十余人と共に自刃す

　其の北条執権史終局の惨澹たる一駒は
　実に此の地に於て演ぜられたるなり

現在、周囲は閑静な住宅街である。



山中の北条高時腹切りやぐら。

　「霊処浄域につき参拝以外の立ち入りを禁ず」

やぐらとは横穴式のお墓のこと。

このあたり、東勝寺合戦で戦死した武士の霊が出るとかいわれ
鎌倉の心霊スポットとして紹介されることも多く
実際、地元の人は、夜は近付かないそうだ。

なんだかとつぜん冷んやりとした空気。

この霊気は北条一族の怨念か？　

いや｡｡｡｡｡｡おそらく、悲しみであろう｡



最後の得宗となった北条高時。

NHK大河ドラマ「太平記」では、片岡鶴太郎が好演した。

印象的な名セリフのいくつかを拾ってみる｡

　「わしは名執権と言われた父上（貞時）に頭が上がらず　
　母上に頭が上がらず｡わしが死んでも泣いてくれるのは
　白拍子、田楽一座と犬百匹」

　「この高時、慈悲は犬に喰わせてしもうた｡
　長崎（円喜）が言うのでな」
　（足利高氏が高時の慈悲にすがりたいと申し出た際に）

　「世の中、謡のようには参らん。
　さらばこの高時も甘んじて地獄に堕ち、世の畜生道を
　しばしあの世から見物いたすかのう」
　（東勝寺にて覚悟の舞を舞った後）　



わずか9歳で得宗家をつぎ、14歳で執権に就くが
いくらなんでも政治ができるわけもなし。

おまけに病弱。

実権は長崎円喜・高資父子に握られ
いわば傀儡同然。

そのくせ偉大な祖父（時宗）、父（貞時）にいつも比較され
鬱々とした日々を、田楽、闘犬でまぎらわすほかはなし。

暗愚だ？　うつけだ？

衰亡する鎌倉幕府を立て直すために
高時にいったい何ができたというのだろうか｡｡｡